今月の詩 2013.2 「前へ」

「前へ」 大木 実

少年の日読んだ「家なき子」の物語の結びは、

 こういう言葉で終わっている。

――前へ。

僕はこの言葉が好きだ。

物語は終わっても、僕らの人生は終わらない。

僕らの人生の不幸は終わりがない。

希望を失わず、つねに前へ進んでいく、物語の中の少年ルミよ。

僕はあの健気なルミが好きだ。

辛いこと、厭(いや)なこと、哀しいことに、出会うたび、

僕は弱い自分を励ます。

――前へ。

(ポケット詩集Ⅱ/童話屋)

生きる事って何だろう。

何で生きていかなくちゃいけないのかな?

若くしてその答えが見つかる人っているのだろうか。

生きることの意味がわからないまま生きている人が

ほとんどじゃないだろうか。

どんなに辛いことがあっても、負けないでほしい。

頑張りすぎると疲れちゃうから、

時々休みながらでも

ゆっくりでもいいから前へ進んでいってほしい。

そして、どこかにきっと君の味方がいるのだから

そこにたどり着くまでは

地に足しっかりくっつけて、

踏ん張って生きてほしい。

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今月の詩2013.1 「よるのそら」つきとしこ

「よるのそら」 つきとしこ

チカチカの ほしをかきわけ

そらたかく ぎんいろのはし

ゆるゆると つきがとおれば

わたぐもが ねがえりをうつ

みおろせば のはらいちめん

くさやきの かすかなねいき

こうさぎや こねずみたちの

ポチポチと つぶやくねごと

ゆめのつぶ ふりまきながら

そらたかく ひとりしずかに

わたしは つき

わたしは つき

(のはらうたⅠ/童話屋)

詩は、基本人の声で聞くのが一番いいと思っている母です。

この詩は知っていましたが、

読んでもらって改めていいなと思いました。

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今月の詩 2012.10 「銀」

「 銀 」 ウォルター・デ・ラ・メア

しずかに 音もなく 月はいま

銀のくつをはいて 夜道を歩く

あちら こちらに じっと目をそそぐ

銀の木になる 銀の木の実

銀色に光る わらぶき屋根の下で

ひらき窓が ひとつひとつ 月光にうかぶ

犬小屋で 丸太のように ごろりと

銀色の前足に あごをのせて 犬がねむる

銀の羽やすめて ねむるハトたちの

白い胸が 暗い小屋からのぞく

かさこそ 走りまわるカヤネズミも

銀色のつめ 銀色の目

きらりと光る 水のなかの うごかぬ魚

銀の流れの 銀のアシのそばで

(おうちをつくろう~クシュラにおくる詩集~/のら書店)

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今月の詩 2012.6 「ひかる」ほたるまどか

 

 「ひかる」 ほたるまどか

 わたしをみつけて!

 と

 ひかります

 わたしの ぜんぶの

 からだと こころで

(のはらうたⅣ/童話屋)

今月は、のはらうたから

ほたるまどかさんの詩を選びました。

通常6月と言えばカタツムリかなと思うのですが、

母の6月はほたるです。

皆さんのお家のそばには、ほたるはいますか?

我が家の近くには、ふるさとの森というところで

人工的に育てているほたるはいます。

市内ですが、ちょっと遠くに行けば

自然に生息しているほたるも見られます。

Photo_2
↑これは、かがくのともの「ほたる」という絵本です。

前頁写真で、神沢利子さん文なので

言葉もきれいです。

小学校3年生までくらいによく読みます。

もちろん、高学年でもよく聞いてくれると思いますが・・。

ほたるは卵の時から光っています。

それを知らない子は多いです。

そういう事を知るという事は、ちょっと嬉しい事です。

母も、「ほたるって、卵の時から光っているんだよ。知ってた?」

なんてちょっと得意げに子どもに言ったりして、

どや顔でこの絵本を紹介していますsmile

ハードになっていないのですが

図書館にはおいてあると思います。

月刊かがくのとも「ほたる」(2002.6通巻399号/福音館書店)

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今月の詩 2012.5 「メアリーさんとブラウンさん」

メアリーさんとブラウンさん 

あるところに、丘が3つありました。

丘のこちら側には、メアリーさんが住んでいて、    

丘のこちら側には、ブラウンさんが住んでいました。 

ある日、メアリーさんはブラウンさんに会いたくなりました。

戸あけて 外に出て 戸しめました。

丘をのぼり、丘をくだり、丘をのぼり、丘をくだり

丘をのぼり、丘をくだって、ブラウンさんの家に着きました。

トントントン へんじがありません

トントントン お留守かしら

メアリーさんは家に帰ることにしました。

丘をのぼり、丘をくだり、丘をのぼり、丘をくだり

丘をのぼり、丘をくだって、家に着きました。

戸あけて 中に入って 戸しめました。

次の日、今度はブラウンさんがメアリーさんに会いたくなりました。

戸あけて 外に出て 戸しめました。

丘をのぼり、丘をくだり、丘をのぼり、丘をくだり

丘をのぼり、丘をくだって、メアリーさんの家に着きました。

トントントン へんじがありません

トントントン お留守のようです。

ブラウンさんは家に帰ることにしました。

丘をのぼり、丘をくだり、丘をのぼり、丘をくだり

丘をのぼり、丘をくだって、家に着きました。

戸あけて 中に入って 戸しめました。

その次の日、二人は同時に会いたくなりました。

戸あけて 外に出て 戸しめました。 

丘をのぼり、丘をくだり、丘をのぼったところで、二人はばったり出会いました。

「あいたかったわ」 「あいたかったよ」

二人はおしゃべりをしたり、かけっこをしたり、ブランコをしてあそびました。

「今日は楽しかったわ」 「楽しかったよ」 「またあいましょうね」

二人はさよならをして家に帰ることにしました。

丘をくだり、丘をのぼり、丘をくだって、二人は家に着きました。

戸あけて 中に入り 戸しめました

その晩、二人は とてもすてきな夢を見たそうですよ。 

おしまい 

(作者不詳)

 

メアリーさんとブラウンさんは、カテゴリに分けると

「短いお話」です。

お話会の中では、大きく分けると3つのカテゴリができます。

ribbon絵本

ribbonお話

ribbon詩(言葉遊び)

子どもたちは吸収する力がすごくて

ちょっとした言葉なんかはすぐに覚えてしまうので、

そういう意味では言葉のカテゴリかなと思い

今月はこれにしました。

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今月の詩 2012.4 「見頃」

Pap_0393_2

今月の詩は、東田直樹君の詩、「見頃」です。

「見頃」東田直樹 ←東田君のサイトです。

名前を知っている方も多いのではないでしょうか?

東田直樹君は自閉症で詩を書く少年ということで

マスコミにもたびたび取り上げられています。

確か、アットマーク高校に通っていたような。

(もう卒業していると思いますが・・。)

東田君のサイトのプロフィールには

会話ができない重度の自閉症とありますが、

でも、言葉で直接会話のやり取りをすることが出来ないだけで、

パソコンや文字盤ポインティングを使用することで

援助なしのコミュニケーションが可能だそうです。

興味のある方は、詩を見に行ってみてください。

私の見頃はいつかなあ?

こんなおばさんでも、そう思えた詩でした。

元気をもらいましたよconfident

shine東田君の本shine

book自閉症の僕が跳び跳ねる理由
 -会話のできない中学生がつづる内なる心-
  (エスコアール/2007.7)

book続・自閉症の僕が跳びはねる理由
 -会話のできない高校生がたどる心の軌跡-
  (エスコアール/2010.10)

bookこの地球(ほし)にすんでいる僕の仲間たちへ
 
 -12歳の僕が知っている自閉の世界-
  (エスコアール/2005.9.27)

bookみんなの知らない海の音(朝日新聞社/2005.10)

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今月の詩 2012.3 「自分の感受性くらい」

「自分の感受性くらい」 茨木のりこ

ぱさぱさに乾いてゆく心を
 
ひとのせいにはするな
 
みずから水やりを怠っておいて

気難かしくなってきたのを
 
友人のせいにはするな
 
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
 
近親のせいにはするな
 
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
 
暮しのせいにはするな
 
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
 
時代のせいにはするな
 
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
 
自分で守れ
 
ばかものよ

「ポケット詩集」より (童話屋)

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詩を楽しむ

昨日、市内お話会の連絡会主催で

詩の勉強会がありました。

30ほどの詩を10こずつにわけて一気に読み、

途中詩についての質問やお話を読み手に聞きながら

進められていきました。

こういったタイプの勉強会は初めてでした。

面白かったのは、読み手さんが好きな詩を選んで読んでいたこと。

普通こういった勉強会では、

お話会でプログラムに入れられる

すぐに使えるような実践的なものを用意し、

子どもたちの前で読んだ感想などを聞く感じになる。

でも、今回は読み手の好きな詩で、学校では読んでいない

という方が多かった。

自分では絶対に選ばないであろう詩もたくさんあり、すごく楽しかった。

母は、「言葉のダシのとりかた」という詩を読んだ。

参加申込時に好きな詩を3つ挙げたのだけど、

その中の1つを読んでと言われたので・・・。

一番面白いと思ったのは、セミという詩だった。

読み手のMさんがすごく楽しく読んでくれたので

もぉ~~~~本当に楽しかった。note

母の所属している会のHさんは、「お経」という詩を読んでくれた。

この人は本当に素敵な人で、

母はHさんが読む前から笑ってしまっていたくらい面白かった・・happy02

たくさんの人の詩を読むのを聞いて、

それを“好きな人”が読むことが、一番聞き手に伝わるのだとも思いました。

どんなにきれいな声でも、どんなに上手に読んだって、

気持ちが入っていないと伝わらないのだなあ・・。

緊張していても、上手に読めなくても、

その詩を好きな人が読めば、

読み手の思いはちゃんと伝わるのだな・・。と思った。

clover 「言葉のダシのとりかた」 長田 弘

出典:「食卓一期一会」晶文社  「ポケット詩集」童話屋

clover 「せみ」 有馬 敲

出典:「しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩」(冨山房)

clover 「お経」 坂田 寛夫

出典: 「てんとう虫」童話屋  「ことばあそび6年生」理論社

 

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今月の詩 2012.1 「ふじさんとおひさま」

「ふじさんとおひさま」谷川俊太郎

詩は、童話屋HPで紹介されています。

一緒に紹介されている「つき」という詩も素敵です。

素敵な詩がたくさんのっているので

母はマイブックで持っています。

詩はこちら⇒童話屋HP http://www.dowa-ya.co.jp/books/a77.html

A77

「ふじさんとおひさま」(童話屋)

谷川俊太郎 詩/佐野洋子 絵

定価1313円(本体1250円)
ISBN978-4-924684-77-5

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今月の詩 2012.1月 「うそとほんと」

「うそとほんと」谷川俊太郎

うそはほんとによく似てる

ほんとはうそによく似てる

うそとほんとは

双生児

うそはほんととよくまざる

ほんとはうそとよくまざる

うそとほんとは

化合物

うその中にうそを探すな

ほんとの中にうそを探せ

ほんとの中にほんとを探すな

うその中にほんとを探せ

(ことばあそび6年生/理論社)

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